ファーウェイ Mate Xは、何十年も昔からSFファンが夢見てきた折りたたみ式スマートフォンで、MWC2019で初めて登場しました。
ファーウェイ Mate Xは、5G高速通信、新しいKirin 980チップセットとそれらを支える4,500mAhの大容量バッテリーを備えています。
私に許された試用時間の中で、それが6.6インチのスマートフォンから8インチのタブレットに変身し、なおかつ実用に耐えそうなヒンジを持っていることが確認できました。
また、Mate XはサムスンのGalaxy Foldより使いやすく感じました。その理由は、タブレットモード時のベゼルが非常に狭いという点にありそうです。
Mate Xの最も人目をひく機能はもちろん折りたたみ式の大型ディスプレイです。
Galaxy Foldと異なり、折りたたまれた状態でも使いたいと私たちに思わせることができるスマートフォンでもあります。
もくじ
ファーウェイ Mate Xの価格と発売日は?
- 価格:約283,000円
- 発売日:2019年6〜8月
ファーウェイ Mate Xは、MWC2019のクライマックスとも言えるタイミングで、満を辞して発表されました。
そしてその価格は、あまりに高いと言われていたiPhoneXSが安く感じるほどのものです。
その値札はなんとおよそ283,000円。
この折りたたみ式スマートフォンは今年、イギリスで発売されます。正式なリリース日は未定ですが、6〜8月のどこかで発売されるとのこと。
最新の情報では、6月リリースが濃厚と言われています。一方のライバルであるサムスンは度重なる問題の発生により、リリース自体が危ぶまれています。
そして、ご存知の通りアメリカでの発売予定はありません。
ファーウェイ Mate Xのディスプレイ
- サブディスプレイ(折りたたみ時):6.38インチLCDディスプレイ
- メインディスプレイ(折りたたみ時):6.6インチLCDディスプレイ
- メインディスプレイ:8インチ有機ELディスプレイ
MWC2019で明らかにされなかったことの1つとして、折りたたまれた状態にある時に1番大きなディスプレイをどう折りたたむのかという点。
Galaxy Foldは折りたたんだ時にディスプレイに折り目がついてしまうという問題を抱えていたからです。
また、折りたたみスマートフォンの問題は、折りたたまれた時にどのように機能するかということでした。例えば、過去に登場したRoyole FlexPaiを思い出してください。

Royole FlexPai
これはくさび状に折りたたまれたため、実際には使用できず、ポケットにはおさまりませんでした。Mate Xは完全に平らに折り畳むことができるため、これはここでは問題になりません。
まず、Mate Xはボディの背面にあるボタンを押すと折りたたみ部分が解放され、8インチのタブレットが開かれることがわかりました。
サムスンのGalaxy Foldの外側にある小さい方のディスプレイが4.6インチの控えめなサイズであったのと対照的に、ファーウェイのそれは全画面つまり6..6インチです。
これはファーウェイ Mate Xがライバルと比べて際立っている点です。
Mate Xを折りたたんだ状態で裏返してみると、6.38インチのディスプレイがあります。
これは3つあるディスプレイの中で最小で、バッテリー消費を抑えながら映画を見るためのいい方法になります。
なぜバッテリー消費を抑えられるのかというと、Mate Xのこのディスプレイは有機ELディスプレイなので、何かが写っている箇所はもちろん光りますが、完全な暗闇が写っている箇所は全く光らず、電力を消費しません。一方のLCDディスプレイはパネル全体を常に光らせておく必要があります。
この小さなディスプレイの横には、垂直なバーがあります。ここには、トリプルカメラシステム、電源ボタンや指紋センサー、さらに充電用のUSB-Cポートまで、ありとあらゆるものを詰め込んでいます。
Mate Xを開いてみましょう。
そこに現れる8インチの有機ELディスプレイは、彩度と視野角が素晴らしいです。素材は折り曲げることができるプラスチックです。
そして、私がこのスマートをんと使っている間、たくさんの指紋や汚れが目立ったのは明らかでした。
最大の関心ごとの一つは、折りたたみ部分にシワができるのかどうか。私が見た限りは、凹凸や折り目は見当たりませんでした。
タブレットモードからスマートフォンモードへ折り畳む時の動きは非常にスムーズに思えます。
ヒンジの構造は非常に複雑そうですが、折りたたみ時には適度な抵抗を感じます。
ファーウェイ Mate Xのカメラ
- メインカメラ:?MP + ?MP + ?MP(トリプルカメラ)
- セルフィーカメラ:無し(メインカメラで共用)
Mate Xのカメラはライカ製であること以外 謎です。トリプルカメラシステムであること以外は公開されておらず、今回の試用でも確認することができませんでした。
いわゆるセルフィーカメラはなく、その裏側にはメインのトリプルカメラがあります。
サブディスプレイはファインダーとしても機能するので、それを見ながらメインカメラで自撮りをすることができます。
ま
た、折りたたんで撮影するときには、カメラに写っている映像は両面のディスプレイに表示されます。
つまり、誰かに撮影をお願いするときには、撮影する側と撮影される側の両者が、リアルタイムに映像を確認できることになります。
カメラの画素数やレンズの詳細は伏せられています。それはファーウェイがカメラの仕様については秘密主義だからです。その情報は、次のPシリーズ(P40?)のヒントになってしまいます。
あるいは、Mate Xにはボディサイズの都合上、最高クラスのカメラが搭載されていないのかもしれません。
もしそうだったとしたら、話題性を維持させるためにも、ファーウェイは公表する時期を遅らせるでしょう。
ファーウェイ Mate Xのバッテリーとスペック
- チップセット:Kirin 980
- RAM:8GB
- 内部ストレージ:512GB
- 外部ストレージ:Nano Memory(最大256GB)
- ネットワーク:5G対応
- バッテリー容量:4,500mAh(55W急速充電対応)
Mate Xのストロングポイントの一つはバッテリー容量です。なんと2つのバッテリーを装備しており、その合計は4,500mAhです。
それはGalaxy Foldよりもやや多い容量ですが、3つの大きなディスプレイを持ったMate Xは、おそらくより多くの電力を必要とするでしょう。
しかし実際にこれを日々使ってみるまで、それが他のスマートフォンのスタミナに匹敵するのか、上回るのか、または劣るのかを知ることは難しいです。
充電に関して、ファーウェイはさらに前を走っています。
Mate Xに搭載された55W急速充電はこれまでで最も高速で、わずか30分の充電で0から85%まで(!)充電することができます。
一方のAppleとサムスンはまた置いていかれました。
また、MatebookノートPCも同じアダプタで充電できます。
Balong 5000 5Gモデムを内蔵したKirin 980プロセッサを搭載したこのスマートフォンは、急速に充電できるだけでなく、4.5Gbpsの通信速度を実現します。
これはつまり、1GBのデータをダウンロードするのに理論上3秒もかからないことを意味します。4G LTEのなんと10倍の速度です。
今年の半ばにリリースされるとすると、まだ5Gのネットワークが成熟していないのでそのような速度を体験することができませんが、将来的には可能です。
もちろん、5Gネットワークの種類と場所によって異なり、この数字は理論上最速のものです。
これらの強力なスペックの組み合わせは、非常に素早く滑らかな動作を実現します。
アプリはすぐりに読み込まれ、画面遷移にもたつきは一切感じられず、そして巨大なディスプレイでのマルチタスクも楽々とこなします。
このスマートフォンを長く使えるよう、内部ストレージは最大512GB。
そしてファーウェイ独自のメモリーカードであるNano Memoryでさらに256GB拡張することができます。
ファーウェイ Mate Xのレビューまとめ
Mate Xは非常に薄くて最小限のベゼルを備えた、とても良くできた折りたたみ式スマートフォンです。それは街中で使用しているシーンを想像したとしても、とても自然です。
カメラに関しても、詳細が明かされていないとはいえ、これまでのカメラに対するファーウェイの実績を考えると、期待してもいいでしょう。
それでも、可動部分の耐久性は要注意です。
それはあまりに高価なスマートフォンであるため、1年間無事に使えたとしても、それでは不十分だからです。
ほとんどのユーザーにとって法外な価格と言えるこのスマートフォンは、少なくとも2年間は使えて欲しいです。
そして、同じく法外な価格と言えるGalaxy Foldよりも高いです。
ただ、Galaxy Foldはコンセプトモデル感が強く、まだ不安な要素が多い印象です。
それに対し、Mate Xはより適切で堅実な印象を感じました。