モトローラのGシリーズはそのコストパフォーマンスの高さから、人気スマートフォンの座を長年にわたって守り続けてきました。
そして2019年もその例外ではないようです。
ここ数年、モトローラは他のどのモデルよりも安い価格で手に入るスマートフォンを欲しがるユーザーから人気を集め、その地位を確立しました。
そして、OnePlus 6Tのようなミッドレンジスマートフォンの価格がどんどん高騰していっているため、少なくともアメリカ市場においてモトローラは競合する企業はありません。
Moto G7 Power、G7、G7 Plusと一緒に発表されたMoto G7 Playは、これら4つのG7シリーズの中で最も安い機種です。
たとえそれが最近の最高のカメラまたはディスプレイを持っていないとしても、それが十分であるということをその売れ行きが物語っています。
主なライバルは、全くと言っていいほど同じようなスペックのNokiaの3.1 Plusや、少し安いNokia 3.1、Honor 8Aです。
それらの中でG7 Playのストロングポイントは性能です。他のG7シリーズと同じように、クアルコムのSnapdragn632チップセットを搭載しているのは、同じ価格帯では他にありません。
そして、32GBの内部ストレージと、外部ストレージとしてmicroSDカードスロットを備えています。
モトローラ Moto G7 Playは間違いなく低価格スマートフォンの一つではあるが、人気のGシリーズとして生まれたこと、そしてそのスペックを考えると、秘めているポテンシャルには大いに期待ができます。
もくじ
モトローラ Moto G7 Playの価格と発売日
モトローラ Moto G7 Playは、アメリカやイギリス、そしてオーストラリアなどの市場で3月から入手可能な状態にあります。
その価格は200ドル、およそ23,000円でかなりの低価格です。
それは前モデルののG6 Playよりも安い価格で発売されていることから、モトローラが低価格スマートフォン市場にどれだけ力を入れているかが容易に想像できます。
モトローラ Moto G7 Playのハードウェア構成とスペック
- ディスプレイ:5.7インチ液晶ディスプレイ
- メインカメラ:13MP
- チップセット:Snapdragon632
- RAM:2GB
- バッテリー容量:3,000mAh
- サイズ:71.5mm x 147.3mm x 7.99mm
- 重さ:149g
- OS:Android 9(PIE)
5.7インチのディスプレイを持つモトローラ Moto G7 Playは、G7シリーズの中では最も小型のスマートフォンです。
とはいえそれは必要十分なサイズであり、詳細な表示、快適な入力およびスワイプ操作が可能です。
G7 Playのスペックを見ると、かなり控えめな2GBのRAMには注意する必要があります。
同クラスのスマートフォンでも3GB搭載されることが多く、これはゲームやタスクの切り替え操作など比較的思い操作をした時にもたつきを感じる原因になります。
チップセットは比較的新しいSnapdragon632が搭載されており、期待が持てます。
しかし、Geekbench4のスコアは4,235(マルチコア)と1,195(シングルコア)で、”Play”という名からゲーマー向けスマートフォンかと思いきや、重めのゲームはプレイするのが難しいです。
内部ストレージ32GBはやや容量不足で、うち11GBはOSによって占有されています。幸い外部ストレージとしてmicroSDカードに対応しているため、この点では不足はないでしょう。
G7 Playは厚みが8.1mmと非常に薄く、手にぴったりとフィットします。また19:9の比率のディスプレイは通常のスマートフォンに比べ縦に長いです。
バッテリーは3,000mAhで、Geekbenchのバッテリーベンチマークで9時間20分の稼働が確認でき、スコアは5100となりました。これらは低価格スマートフォンとしてはすべてポジティブに感じます。
カメラシステムは最近の規格としてはかなり時代遅れです。セルフィーカメラは8MP、メインカメラは13MP、共にシングルカメラです。
メインカメラは明るい場所では良い写真を撮影できますが、暗い場所ではかなり貧弱です。それでも、価格を考えると高級カメラの機能を期待するのは酷かもしれません。
Wifiは2.4GHzに対応しますが、高速な5.0GHzの周波数帯はサポートせず、結果としてWifiのスピードに対しては不満を持つことになる可能性があります。
モトローラ Moto G7 Playのデザイン
モトローラ Moto G7 Playのデザインは典型的なモトローラ製品で、見た目は非常によく、程よい重さがありながらスリムなデザインです。
他のG7シリーズとは異なり、純正の保護ケースは同梱されていません。なぜかというと、G7 Playのボディはプラスチックフレームで、背面も弾力のあるプラスチック製で、引っかき傷に対しても耐性があり、滑りにくいからです。
厚さは8.1mm、重さ168gのG7 Playは、比較的軽くそして薄く持ちやすいですが、厚いベゼルや、高級感を捨て実用性をとったプラスチック素材のため、あまり魅力的とはいえません。
しかし確実に言えるのは、それが握りやすく滑りにくく、間違いなく実用的なスマートフォンであるということです。
背面にはモトローラのロゴと一体化した指紋センサーがあるのは嬉しいことですが、NFCには対応しませんでした。これはおサイフケータイとしてのあらゆる支払いに対応しないことを示します。
正面には幅の広いベゼルに囲まれ、端に行くに従って湾曲した5.7インチのディスプレイと、スピーカー、LEDライト、セルフィーカメラがあります。
G7 Playは、“Play”のつくGシリーズとしては初めてUSB-TypeCポートを搭載しました。これはスマートフォンの顎の下の部分にあります。将来を見据えた正しい選択と言えます。
デュアルSIMトレイのスロットは左側にあり、そこには2枚のNano SIMと1枚のmicroSDカードを同時に使用することが可能です。
右側には音量ボタンと電源ボタンがあり、3.5mmヘッドフォンジャックは頭の部分にあります。
モトローラ Moto G7 Playは、ブラック、ブルー、ゴールドの3色展開で、全てが同じ特殊加工のプラスチック仕上げです。
デザインに関しては決して刺激的ではありませんが、それは堅実な性能を持っています。
モトローラ Moto G7 Playのディスプレイ
- ディスプレイ:5.7インチ液晶ディスプレイ(720x1512)
モトローラ Moto G7 Playのディスプレイは5.7インチ。輝度は十分、縦横比は19:9と縦に長いです。
Moto G7およびMoto G7 Plusよりも小型で解像度は低くなっています。それは720x1512で、この価格としては比較的高解像度。ライバルのNokia3.1やHonor 8Aのそれと同水準です。
ピクセルの密度は、同じGシリーズのG7 Powerが279ピクセル/インチ、Nokia 3.1は268ピクセル/インチ、そしてMoto G7 Playは294ピクセル/インチと比較的高解像度と言えます。
また、視野角も広く、晴天時でなければ屋外の視認性も良好です。
デフォルトの設定では彩度が少し高すぎますが、表示設定から色を微調整し、自然な彩度に調整しましょう。
また、コントラスト比はわずかに低く、液晶ディスプレイのため、黒はやや薄めです。
iPhoneと同じ形状のノッチを持ち、そこにはフラッシュ、フロントスピーカーとカメラが詰まっています。
ノッチの幅は非常に広いため、その両はしに僅かに残った通知領域は、その機能を果たしていません。
その問題には解決方法があります。設定から”開発者モード”を有効にし、”Cutout”(切り取り)という項目のサブメニューから”Hide”(非表示)を選択します。
これによって、ノッチの両はしは黒く塗りつぶされ、通知領域はノッチの下に表示されるようになります。これは苦肉の策とも言えます。
し
かしそれを割り切ってしまえば、G7 Playはコストパフォーマンスに優れていると言っていいでしょう。
ディスプレイは非常に明るく、そして鮮やかです。
モトローラ Moto G7 Playのカメラ
- メインカメラ:13MP(シングルカメラ)
- セルフィーカメラ:8MP(シングルカメラ)
モトローラ Moto G7 Playのメインカメラは13MPセンサーを備えています。
他のG7シリーズのメインカメラが全てデュアルカメラであることと対照的です。
そしてG7 Plusに搭載されている光学手ぶれ補正もありませんが、ソフトウェア処理によってそれを補っています。
オートフォーカスとシャッタースピードは厄介な問題です。通常の明るさでは問題なく動作しますが、シャッターボタンを押してから実際に写真が撮影されるまでの間に、時々目立った遅れが発生することがあります。
G7 Playのカメラは、Nokiaのエントリーモデルにあるような半自動モードだけではなく、完全マニュアルモードを選択することもできます。画質に関しては、同じような画素数のセンサーを持つ他のエントリーモデルと同等です。
セカンドセンサーがないということは、ポートレートモードが最適ではないということを意味します。
ポートレートモードでは、被写体にピントが合っているが背景がぼやけている状態をデジタルで作成できます。
それは小さな携帯電話のディスプレイでは一見問題ないように見えますが、ズームインすると被写体と背景の境界が歪んでいるなどの多くの悪い点に気がつきます。
暗い場所での撮影もあまりよくありません。適度に薄暗い状況で写真を撮ったとしてもオートフォーカスの速度が遅くなり、画像にノイズが発生します。とはいえ同じような価格のカメラでは同じようなことが起こることは間違いありません。
また、8MPのセルフィーカメラについても同じことが言えます。自撮りやビデオ通話を明るい場所でするのは問題ありませんが、暗い場所ではほとんど役には立ちません。
焦点を合わせるには、画面上をタッチします。タッチした箇所が暗ければ、写真全体がとても明るくなり、それは時に過剰とも言える明るさとなるので、慣れが必要です。
ビデオ撮影時には、光学手ぶれ補正機能の欠如を補うため、ソフトウェアによる手ぶれ補正をすることができます。
また、この価格のスマートフォンとしては異例の4K動画撮影に対応しています。そしてそれは、明るい場所での撮影時に特に良いパフォーマンスを発揮します。
Moto G7 Playの4K動画サンプル↓
モトローラ Moto G7 Playのレビューまとめ
モトローラ Moto G7 Playよりも安く、はるかに魅力的なスマートフォンを見つけることは不可能に近いです。
非常に性能のバランスが良く、スリムでカメラの評価も良好です。
NFCに対応しておらず少しがっかりしましたが、それは致命的な問題ではありません。
ただ、もし幅広のノッチや実用的を追求したデザインが好みでない場合や、予算に余裕があるのであればスルーすべきです。