Meizu Zeroというスマートフォンが発表されました。
それは物理的なボタンやSIMカード・SDカードスロット、イヤフォンジャックやスピーカーなど、穴という穴を全て削ぎ落としたスマートフォンです。
それらの代わりに、スマートフォンの側面にタッチセンサーを装備し、音量などを調整することができます。
充電をケーブル挿す穴はもちろん無く、ワイヤレス充電(12W充電)にのみ対応しています。
前述の通り、Simカードスロットを持っていないので、代わりにeSIM規格を採用しています。(eSIMとはデジタルなSIMです。それは物理的なSIMカードを使うことなく通信キャリアのモバイル通信を利用することができます。)
もくじ
クラウドファンディングに失敗し、計画は中止に
Meizu Zeroは全ての穴を持たないという画期的なコンセプトを持ったスマートフォンでした。
そして、その発表をIndiegogoというクラウドファンディングサイトで行うという画期的な宣伝および資金調達の手法を採っていました。
10万ドルの資金調達を目標に、クラウドファンディングのプロジェクトは開始されました。
ところが2019年3月、目標の45%しか達成できずプロジェクトは中止、Meizu Zeroは幻となりました。
Meizu Zeroのデザインとディスプレイ
Meizu Zeroは一見、その他のスマートフォンとそれほど違っては見えません。
セラミック製ユニボディは独特の光沢を放ってはいます。しかしSamsungのGalaxy S9に似たベゼルのないデザインと、縦に積み重ねたデュアルレンズカメラはその他の多くのスマートフォンと同じようなものに見えます。
しかしながら詳しく見てみると違いがわかります。SIMトレイはありません。代わりにeSIMが採用されています。
ヘッドフォンジャックも充電ポートもないので、Meizu Zeroは18Wワイヤレス充電に完全に依存しています。
物理的なボタンはなく、Meizuの”バーチャルサイドボタン”がその役割を担います。
これらは触覚フィードバックエンジン(iPhone7や8のホームボタンのような)を使って本当のボタンのような触覚を再現しています。
これはHTCのU12 Plusにも見られる技術です。
スピーカーも無くしましたが、”mSound 2.0”という技術で、ディスプレイを振動させることでスピーカーのように使用することができます。指紋センサーもディスプレイに内蔵しました。
さらによく見てみると、ボディの底面に2つの小さなマイク穴が見えます。これらの穴はMeizuがおそらく唯一塞げなかった穴です。
とはいえ、ほぼ完全に密閉されているため、耐水性はIP68の評価を得ており、これは最大2.5時間もの間水中に沈めることができます。
Meizu Zeroのスペック、ハードウェア
- チップセット:Snapdragon 845
- メインカメラ:12MP + 20MP(デュアルカメラ)
- セルフィーカメラ:20MP(シングルカメラ)
- ディスプレイ:5.99インチ有機EL(1,080x2,340)
- RAM :4/6GB
- 内部ストレージ:64/128GB
- 外部ストレージ:なし
- OS:Android 9.0(PIE)
- その他:3.5mmイヤフォンジャックなし
物理的なボタンやポートがないという点では、VivoのApex 2019が同じ特徴を備えています。
3.5mmイヤフォンジャックはなく、イヤフォンの使用は完全にBluetooth5.0に依存します。
Meizu Zeroについてのまとめ
Meizu Zeroは世界初の穴なしスマホという先進的なコンセプトを持っていました。
残念ながらクラウドファンディングに失敗し量産化されることはありませんでしたが、これからのスマートフォンの未来を垣間見ることができました。
また、クラウドファンディングに失敗はしたものの、上位の出資者にはすでに製品が送られており、以下の動画ではMeizu Zeroの様子を見ることができます。