ソニーのXperia Z1 compactは、2013年に日本で発売されました。
それはハイスペック端末Xperia Z1の小型版として発売され、Z1のスペックをほぼ引き継ぎつつ小型化されたことで高い評価を得ていました。
当時はHTC One Mini 2とサムスンのGalaxy S5 Miniという2つのスマートフォンが支配的な人気を誇っていましたが、それら”Mini”の名前がつくスマートフォンはスペックが低いものというのが相場だったため、小型のハイスペック端末という位置付けの端末は他にありませんでした。
ソニーはそれから、Xperia Z2やZ3にも”Compact”版をリリースし、それは再びオリジナルのZ2やZ3のスペックをほとんどそのまま小さなボディに詰め込むということに成功しています。
Xperia Z1 compactのボディサイズは127x64.9x9.55mmで、持ちやすさを改善するために端が少し丸まっています。そして金属とガラスで包まれた137gのボディからは十分な高級感を感じることができます。極限まで軽量化されたGalaxy S5 Miniと比較すると少し重く感じるかもしれませんが、そう感じるのは最初だけですぐに慣れます。
小さいフレームは片手で扱いやすく、オリジナルのXperia Z1が抱えていた持ちにくさは完全に解消されています。丸まった端は、片手での使用においてiPhone 5Sよりも快適に感じました。
もくじ
Sony Xperia Z1 Compactのディスプレイ
- ディスプレイ:4.3インチIPS液晶(720x1,280)
- 縦横比:16:9
Sony Xperia Z1 Compactのディスプレイは720pの4.3インチ液晶です。
多くの人が低解像度だと感じるかもしれませんが、ソニーはこのディスプレイに非常に力を入れています。そしてそのディスプレイはオリジナルのXperai Z1以上のものです。
ピクセルの密度を分析してみると、Z1 Compactに搭載されている液晶ディスプレイは、iPhone 5sやさらに新しいiPhone6よりもさらに優れた340ppiを誇ります。
Sony Xperia Z1 Compactのスペック、仕様
- チップセット:Snapdragon800
- GPU:Adreno330
- RAM:2GB
- 内部ストレージ:16GB
- 外部ストレージ:microSDカード対応(最大64GB)
- その他:3.5mmイヤフォンジャック有り、防水防塵性能(IP55, IP58規格)
Xperia Z1 Compactに防塵防水性能を持たせることは簡単なことではありませんでした。
今日のスマートフォンにはあらゆるポートが搭載されており、Sony Xperia Z1 CompactのmicroUSBポートとmicroSDカードスロットやSIMトレイは、ボディの左側に並んでいます。
ソニーはこれらすべての穴から侵入してくる水に対応しなければなりませんでしたが、これをうまく攻略しました。すべてのポートにプラスチックの蓋を用意することで対応しています。
ずらりとポートが並んだその反対側、右側面にはボタン軍を配置。ボリュームロッカーやカメラ専用のシャッターボタンもあります。これは、20.7MPのメインカメラをワンクリックで起動し、ディスプレイを触らずに写真を撮ることができます。
ボディの上部と下部には、それぞれ防水の3.5mmイヤフォンジャックと外部スピーカーが配置されています。
そして他の全てのスマートフォンと同様に、背面にはカメラとLEDフラッシュライトがあります。
Sony Xperia Z1 Compactのカメラ
Sony Xperia Z1 Compactは、8MPの自動設定を使って撮影されるように設定されています。
20.7MPのカメラを備えているのに、それをフルに使わないのはなぜなのでしょうか。
その理由は実際に撮影してみると明らかになります。
20.7MPの解像度で撮影するために自動モードを切り、手動モードに切り替えてみます。すると撮影された際高解像度の写真は、鮮明さ精細さに欠けます。
解像度の高さを考えると、これは驚くべきことです。
試しに解像度を下げて撮影してみても、非常に暗くてノイズが多くなります。
そして、低解像度の写真しか撮影できないGalaxy S4やiPhone 5Sと比べても明らかに悪いことは残念です。
それでは、一方の8MPの自動モードを使用してみましょう。すると状況は一変し、はるかに良くなります。
暗い場所で撮影した写真の色の正確さと鮮明さは、手動モードと比較して大幅に改善されています。
暗い場所での写真であっても、写真の自動処理によってとても明るくなります。たとえフラッシュを使用していなくてもです。
自動モードによって写真の色みはある程度加工されているので、同じ状況で撮影したiPhone 5Sの写真と比べると、後者の方がより現実的です。
しかし、暗い場所の写真は明るさを増した方が良い場合も多いので、これは好みの問題でしょう。
そしてSony Xperia Z1 CompactはフルHD動画も撮影できます。思ったよりも暗めに撮影されますが、オートフォーカスや動きの滑らかさは優れています。
また、驚くほどの結果をもたらすわけではありませんが、ビデオ通話には2MPのセルフィーカメラが適しています。
Sony Xperia Z1 Compactのベンチマークスコア
- Antutuスコア:33,468
- Geekbenchスコア:978(SingleCore), 2,541(MultiCore)
Sony Xperia Z1 Compactのバッテリー
- バッテリー容量:2,300mAh
Sony Xperia Z1 Compactのバッテリーは、性能の高さに比べやや貧弱な2,300mAhです。
しかし一般的な使用において、そのバッテリーは十分過ぎるものだということがわかりました。
まずソニーの電池を節約する技術が高いこと、画面が小さく解像度が低いためにバックライトやGPUの負荷が大幅に軽減されることが要因としてあげられます。
また電池をセーブするスタミナモードを使用することで、全体的な消費電力も抑えられ、一日中使用したとしても就寝前にはまだ十分な電力が残っていました。
Sony Xperia Z1 Compactのレビューまとめ
Sony Xperia Z1 Compactを使用してみて、ソニーは主力製品であったZ1をより小さく凝縮し、とても良い製品を生み出すことに成功しました。
スペック上は少し抑えたものになりはしましたが、バッテリーの持ちは向上しています。
IPS液晶は改善され、Z1 Compactは非常に高い品質と性能を持ったMiniスマートフォンとなりました。
ギャラクシーやHTCのMiniとは違いスペックを妥協することなく4.3インチのスマートフォンを作ることができることを証明しました。そしてそれは防水です。
ソニーがまだ100点を取れていない唯一の分野はソフトウェア。最新のAndroidを搭載していないことは長期のアップデートを期待できない要因の一つです。同社オリジナルのUIにも不満が残ります。
Xperiaの新世代端末が登場するたびに、ソニーは批判に対する回答を出し続けてきました。そしてZ1 Compactは新たに登場した不完全なスマートフォンです。
しかしそれはこれまでのソニーのベストな端末でもあります。