2019年2月、サムスンは世界で初めての折りたたみスマートフォンを発表しました。その名はGalaxy Fold(ギャラクシーフォールド)です。
Samsung Galaxy Foldは、Huaweiなどの他の折りたたみ式スマートフォンとは異なり、本のように内側に折りたたむことができます。そして最高の仕様と機能が備わっています。
4月末に予約が可能になり、予定では5月におよそ26万円の価格(高い!)で購入できます。
果たして、Samsung Galaxy Foldにはそれだけの価値があるのでしょうか?
もくじ
Samsung Galaxy Foldのデザイン、仕様、スペック
- サイズ(展開時):160.9 x 117.9 x 6.9 mm
- サイズ(折りたたみ時):160.9 x 62.9 x 15.5 mm
Samsung Galaxy Foldの折りたたみ式スマートフォンへのアプローチは理にかなっています。
ディスプレイは本のように内側に折りたたまれ、閉じた時はかなり細身なので片手で握って使いやすくポケットにも収まりやすいです。
厚さは普通のスマートフォン2つ分くらい分厚くなってしまうのですが、細さのおかげで操作性は良好です。
Samsung Galaxy Foldのヒンジ
Samsung Galaxy Foldの設計において、一番の難関はヒンジ部分でした。開閉できるようにするためのギミックの開発に最も注力しました。
スマートフォンを閉じて折りたたむと、ある一定の位置でロックされますが、内側の歯車の働きによって非常に滑らかな開閉操作が可能です。
そして開くと、開ききったところでロックされます。このギミックにより、折りたたみ可能なスマートフォンではありますが、フニャフニャした印象はありません。
想像していたよりはるかにしっかりとしています。
ボディの下半分には複数のボタンとUSB Type-Cポートが並んでいます。
電源ボタン、指紋センサー、音量ボタン、SamsungのAIアシスタントBixbyを呼び出すためのBixbyボタンです。
Samsung Galaxy Foldのカラーバリエーション
Samsung Galaxy Foldにはたくさんのカラーバリエーションが存在します。
今回レビューしたのはMartian Greenと呼ばれるカラーで、角度によって黄色と緑色に見えます。
ボディの外側はガラスで覆われており、かなり指紋が目立ちます。
Samsung Galaxy Foldのディスプレイ
- ディスプレイ(内側):7.3インチ折りたたみ有機EL(1,536x2,152)
- ディスプレイ(外側):4.6インチ(HD+)
メインディスプレイ(開いた時に使用するディスプレイ)
このディスプレイの優れた点は、Galaxy S10やS10+のように、HDRやHDR10+に準拠しているため、色とコントラスト比が素晴らしいことです。これは本当に美しく見えます。
ただ、想像してみてください。このディスプレイのサイズと形は、映画を見たりゲームをするときに最適とは言えません。
映画を見ると上下に大きな黒い余白ができますし、ゲームに関しても同じことが言えます。
適切なコンテンツやアプリを表示した時は、この大きなディスプレイは本当に見違えます。目を見張るほど見栄えが良いです。
内側のメインディスプレイ(折りたたみディスプレイ)の中央には目に見えるシワがあります。
しかしそれはあまり目立つことはありませんでした。ウェブサイトを見たり、ゲームをしたり、動画を見たりしてもシワが気になることはありませんでした。
ただ、斜めの位置から見ると、光の反射の仕方でシワの存在に気付きます。
サブディスプレイ(折りたたみ時に使用するディスプレイ)
サブディスプレイに関しては、あまり実用的とは思えません。あくまでサブです。
サイズは4.6インチと小さく、ここでは簡単なことしかできません。
例えば、着信に応答する、メッセージに返信する、セルフィーカメラを使用するなどです。
Samsung Galaxy FoldのUI
サムスンの最大の課題の一つは、折りたたみギミックやデリケートなディスプレイの保護以外にもう一つありました。
それはAndroidの画面をアスペクト比4:3のディスプレイでうまく機能させることです。
今回のレビューではあまり検証する時間はありませんでしたが、一見したところ非常にうまくできていると感じました。
そこには大きく重要な2つの改善がありました。
その一つは、スマートフォンを開いたり閉じたりしたときに、小さい画面や大きい画面の間をアプリが行き来するところにありました。
例えばGoogleマップを開き、場所を検索し、歩きながらナビを使用するために画面を閉じると、ナビは小さい方の画面で実行されます。
これと同じことが事実上すべてのアプリに起こるわけです。幸いその機能は非常にスムーズに動作していました。
またこの切り替えをするかしないかは、アプリごとに設定することができます。
もう一つはマルチウィンドウタスクです。大きなディスプレイは、左右に別のアプリを表示させ、同時に実行することに適しています。
とあるアプリを起動した状態で、画面の右からアプリのリストを引き出した後、アプリを選択することで同時にアプリを使用することができます。
アプリは同時に3つまで実行することができます。
Samsung Galaxy Foldの仕様
- チップセット:Snapdragon855
- GPU:Adreno 640
- RAM:12GB
- 内部ストレージ:512GB
- 重さ:263g
- バッテリー容量:4,380mAh
- その他:15W急速充電、15Wワイヤレス急速充電、他の機器を9Wワイヤレス充電することが可能
Samsung Galaxy Foldは、思いつく限りの最新のテクノロジーが注ぎ込まれたフラッグシップモデルです。
現在入手可能な最強のチップセットが搭載され、RAMは12GB、内部ストレージは512GBです。
その大画面を1日中使用するために、2つのバッテリーを搭載しています。
折りたたみスマートフォンというコンセプトがどれほど成功するかは現時点で測ることはできませんが、スムーズでパワフルな動作を実現するだけの十分な性能があることは確かです。
Samsung Galaxy Foldのカメラ
サムスンのGalaxy Foldには、以下のように計6つのカメラが搭載されています。
- 背面には単一のセルフィーカメラ:10MP
- メインカメラはトリプルカメラ:12MP + 12MP + 16MP
- メインディスプレイの上にデュアルセルフィーカメラ:10MP + 8MP
メインカメラについては、Galaxy S10やS10+のカメラと全く同じものです。
折りたたんだ状態のサブディスプレイの上にはセルフィーカメラがあります。これはサブディスプレイを使って簡単に撮影することができます。
メインディスプレイの上にあるデュアルセルフィーカメラは、そのうちの1つが奥行きを検知するセンサーであり、これを使って背景をぼかすポートレートモードを使用することができます。
Samsung Galaxy Foldのレビューまとめ
サムスンは本当に説得力のある折りたたみスマートフォンを作ってきました。それは非常に高価で、およそ26万円です。
その耐久性は未知数です。2つのディスプレイを併用したアプリの最適化、ヒンジの耐久性、ディスプレイの折り目は問題を生む危険性をはらんでいます。
しかし、今回触ってみて、折りたたみスマートフォン自体が持つ無限の可能性を感じることができました。